SPDCについて
数年前までのダイビング業界
幻想的な景色、回遊する魚の群れ、海中は日常生活を忘れさせる魅力に溢れています。休日には、これら非日常的な体験を求め、多くの人々がダイビングやシュノーケリングをするために海を訪れます。特に静岡県は都心部からの交通の利便性や、世界でも有数のダイビングスポットを数多く抱えている点などから、年間を通じて数多くのダイバーがダイビングで訪れております。
その一方、ダイビング中の事故も多発しており、平成16年の統計によると、静岡県内での事故発生の割合は全国の約37%に上り、早急な対策が必要となっています。
事故発生の原因
その原因として、インストラクター及びガイドダイバーの技術・知識・経験が不足していると考えられてきました。ダイビング中にトラブルが発生した場合、適切な対応をすることができないことと関係各方面から指摘をいただいてきました。こうしたインストラクター及びガイドダイバー引率中の事故は、全体の約70%にも上っていた経緯もあります。
また、インストラクターが引率しないダイビングに関しては、ダイビングに関する規則が無いことや、地域安全情報が周知徹底されていないため、危険海域でダイビングをしてしまうこと、トラブルが発生した場合に救助が困難なケースや、発見が遅れるといったケースが多く、結果的に多くの事故につながっています。
こうした事故を防ぐためには、インストラクターやガイドダイバーの技術・知識の向上や日頃の訓練だけではなく、ダイビングに関するルールの策定、安全なダイビングのための情報の提供が必要です。
SPDCの設立趣旨
そこで私たちは、広く一般市民、特にダイビング関係者に対し、安全なダイビング及び緊急時の対処についての講習会や講演会を企画・開催し、ダイバー特にインストラクターやガイドダイバーの技術・知識の向上を図り、ダイビング中の安全を確保していきます。
また、インターネットやパンフレット、ポスター等の媒体を通して、危険海域の情報等、安全なダイビングのための情報を提供し、危険海域でのダイビングの注意を図ることで、ダイビング中に発生する事故を減らしていきます。
さらに、海岸及び海中での清掃活動等を行うとともに、地域の自然やダイビング情報や地域の観光情報を提供していくことによって、環境の保全と、ダイビングの更なる振興、観光の促進をしていきます。
開設にあたっては、契約締結の面など事業の遂行上法人格が必要となり、積極的に情報公開を行うことで社会的信用を高めていくことができる特定非営利活動法人が最適と考え、特定非営利活動法人静岡県ダイバーズ協議会を設立することにしました。
当法人は、広く一般市民に対して、ダイビングの安全の向上に関する各種事業、海辺・海中の環境保全に関する事業、ダイビングや観光情報の提供に関する事業を行い、スポーツの振興・地域安全の向上及び環境の保全を図り、社会に貢献してゆきたいと思います。
設立から数年経過して
関係各方面の皆様からの助言、お力添えもあり、静岡県内各ダイビングスポットでのダイビング事故は、プロフェッショナルの引率中であるかに関わらず減少傾向となっています。
また、事故発生時の迅速な対応なども向上し全体的にいい傾向が見受けられるようになっています。
特定非営利活動法人 静岡県ダイバーズ協議会